だしは手軽で美味しい日本食を作る土台
日本食の味付けのポイントとなるだしを使ったお料理は、多くの種類があります。使用する食材の種類によって、だしにも相性があります。そのため、美味しい食材とだしの組み合わせや、お料理ジャンルを知っておくと、手軽で美味しい食事を作ることが出来ます。そのためには、最初に美味しいだしの取り方を知るのがポイントです。次に、それぞれのだし別の向いているお料理、調味料に関して紹介します。
基本的な料理用のだしを取るポイント
だしの取り方は美味しい和食を作るための基本です。だしを取る食材によって特徴がありますが、基本的なポイントを押えれば簡単です。初心者でも知っておきたい簡単なポイントはこちらの三点です。
・沸騰したお湯で煮出ししない
・熱湯で風味が壊れるだしの種類がある
・エグみの中心となる部位は取り除く
最初に、沸騰したお湯で煮出しすることはお勧めしません。その理由は、うまみ成分と同時に苦味や渋味の風味の成分も出てしまうからです。というものの、さっと作りたい場合は熱湯を3分ほど冷まして、80℃ぐらいのお湯にします。うまみ成分は80℃ぐらいで十分抽出することが出来ます。粉のだしの元以外は、だしを出した鰹節や昆布等は取り除きます。
次に、熱湯で一度に抽出をすると風味が壊れるだしがあります。特に、いりこだしは、一度に抽出しようとすると風味が下がります。お勧めしたいのは、使用する前日にピッチャーに入れてだしを作っておくと便利です。
特に、しいたけだしのうまみ成分は熱によって風味が壊れるので、だしを取る場合は冷水で室温かラップをして冷蔵庫での抽出がお勧めです。
エグみの原因は、内臓の部位が残っていると発生します。特にアゴだしやイリコだしの場合は、頭部や内臓が残っているとその部位の苦味がだしに含まれてしまうので、丁寧に取り除くようにしてください。この一手間が美味しいだしを取る基本です。
取っただしはアミノ酸が含まれているので、多くの雑菌が繁殖します。その為、調味料を入れていない場合のだしは、使いきりのつもりで必要な量を使用する度に作るのが基本です。
もし、使いきれない場合は、醤油や味噌を入れて濃縮エキスを作り、保存する方法があります。塩分が入ることで雑菌が繁殖しにくいためです。それでも、密閉容器に入れて、翌日までには使い切ることが大切です。
オールマイティーな和食に使えるかつおだし
初心者でもコツを押えれば大体の和食に使うことが出来るだしがかつおだしです。かつおだしの特徴は、そのお料理に使える範囲が広いのが特徴です。また、使用するお料理の範囲も広く、味噌汁含む汁物、煮物、麺類まで使えます。
ですが、かつおだしに関しては、どの鰹節かを使うかによってお料理の向き、不向きがあります。だしのうまみを特に生かしたい場合は、本枯節を使い、醤油や塩分を使用したパンチの効いた味の場合は荒節と使い分けると、より本格的な味になります。
本枯節を使用する理由は、かつおの甘さやうまみが濃縮されている鰹節なので、かつおだしのみか、味醂を加えた素材の味が活かす吸い物や煮物向きです。上品なかつおの甘さが香るため、とても風味のある味になります。
対して、荒節の場合は、醤油といった調味料の味を活かし、少し魚の味が利いたうまみが欲しい場合に向いています。ラーメンの汁を含む麺類のだしや煮物がお勧めです。
相性の良い食材は、野菜類は基本的に合いますが、特に、にんじんや大根といった根菜類と相性が良いだしです。肉類の場合も、別の風味を持っているので、隠し味に使っても良い風味が出ます。
さっぱり淡白系の味付けにぴったり昆布だし
昆布だしの特徴はさっぱりとしているので、非常に汁の味わいを楽しむお料理に向いているだしです。
昆布だしの場合は、昆布のだしの濃さがポイントで、煮物等しっかり味をつけたい場合は少ない量でも昆布を入れて濃いだしを取ることがポイントです。昆布だしで失敗しやすいのは、薄すぎることで風味やうまさの調整が難しいと悩む人がいますが、最初に濃い目のだしを作って味付けをしている間に水を入れて調整をします。この方法だと、調味料を入れて調整する原理で、だしのうまみをお料理にあわせて使うことが出来るので便利です。
特に、野菜自体の風味を壊さず甘味を活かす場合には、非常に向いているだしになります。また、海草のだしなので、魚との相性も良いのも特徴です。特に、淡白な白身魚を使用した煮物、炊き込みご飯等にも向いているだしになります。
向いている食材をまとめると、豆腐・湯葉を含む大豆加工食品、白菜や水菜といった葉野菜、しいたけといったきのこ類、淡白な味付けの鯛含む白身魚です。また、ハマグリやしじみといったお吸い物向きの貝類にも合います。
魚の風味がすごい煮物向きのあごだし
あごだしの特徴は、さかなの味がしっかりするけど、さっぱりとしている味です。その為、そのうまみが長時間しみ込むようなお料理がお勧めです。パンチの効いた味付けでもあるので、汁物に向いています。
向いている素材は、野菜全般で特に根菜向きです。しっかりした味付けなので煮っころがしに向いています。またおでんといった長時間煮込んで素材にうまみを浸透させるお料理には非常に向いています。また、醤油との相性がよく、濃口、薄口醤油種類関係なく相性が良いだしです。その為、めんつゆにも向いているだしになります。
味噌との相性抜群ないりこだし
いりこだしの特徴は、魚の風味と青魚が持っているうまみが濃縮しただしです。しかも、だしの種類の中でも安価で手にすることが可能です。いりこだしの魚の風味は非常に独特な風味です。
いりこだしの特徴は味噌が特に相性が良い調味料です。味噌の風味を活かしつつ、しっかりとした魚の味がします。また、どっしりとした魚の味が舌に残るので、味噌のような濃い目の調味料の味付けでもだしとして存在感を残すことが出来るのです。また、味噌の種類は関係なく、白味噌、赤味噌、関係なく風味を残すことが出来ます。
相性の良い具は、野菜全般、味噌汁で使う具剤の野菜との相性は抜群です。また、醤油を使った場合は、濃い目の醤油に甘味を足した状態で使うのがお勧めです。味噌汁であさりを食べるならいりこだしがおすすめです。
合わせだしはだしのうまさが活かされるお料理に
このあらゆるだしをブレンドして、それぞれのだしの長所を活かしただしが合わせだしです。合わせだしの特徴は、それぞれのだしのうまみが入っているだしです。その為、だしのうまみが特に活かされるようなお料理に向いています。
日本人が一番食べる主食は米です。米の食べる頻度は減ったといわれていても、美味しいご飯には勝てないのが現状です。お米に美味しいだしのうまみを吸わせる事で本当に美味しいお料理にすることができます。お勧めしたいのは炊き込みご飯です。
さらに、野菜が入れば、その野菜の美味しさも出てきて、なおかつ野菜にうまみが吸収されるのでより美味しくなります。注意点は、炊き込みご飯に入っている同じ具剤とだしに入れている具剤を同じにしないことです。一緒になると、1つのだしの味が濃くなってバランスが悪くなります。
あわせだしは、煮込みやめんつゆといったお料理にも使っても美味しくお料理を作ることが出来ます。ひとつ合わせだしを持つと和食のジャンル関係なく幅広く使えるだしになります。
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