広東料理の特徴を一言で表すなら「飽くなき食欲が生んだ料理」という言葉がピッタリでしょう。

その理由はバラエティー豊かな食材を使うことに由来します。

新鮮な海鮮類から乾賃と呼ばれるアワビにフカヒレ、燕の巣やナマコなど多くの食材を使います。

今回は、そんな広東料理と合うお酒5選と、中国のお酒の種類を紹介します。

　中国のお酒の種類

中国で飲まれるお酒の種類は大きく分けて「黄酒 」「白酒」「薬酒」「果酒」の4種類があります。

黄酒は米などの穀物から作られるお酒で名前の由来は色が黄色や褐色になるからです。

アルコール度数は15度程度あります。

白酒は米・麦やコーリャンなどを発酵させた後、蒸留したものです。

お酒造りに欠かせない麹の材料によって、さらに大曲酒・小曲酒・麩曲酒に分けられます。

果酒はその名の通り果実を漬け込んだお酒でモモ・アンズ・ライチなどが使用されることが多いです。

薬酒は梅や人参・ウコンなどの植物やハブ・マムシなどの動物を漬け込むのが特徴です。

中国では嫁入り道具としてお酒を壺に仕込み熟成させる習慣があります。

　清蒸海鮮

新鮮な魚を蒸した料理で海鮮料理を代表する料理です。

味付けは醤油ベースで熱々の油を回しかけ仕上げることで魚の旨みが凝縮されます。

香辛料としてネギ・ショウガを一緒に蒸すことで魚の臭みが取れ、味に深みが増します。

使われる魚はハタが多く使われ、蒸すときは高温で一気に蒸しあげるのが特徴です。

　清蒸海鮮と合うお酒

淡白な魚料理と合うのは、やはり白ワインでしょう。

味付けは醤油ですが、元々のハタ自体に合わせるなら白ワインが抜群です。

特にキリッと辛口のシャルドネは料理を引き立てること間違いなしです。

　フカヒレの姿煮

高級食材として知られるフカヒレ。

中華料理の定番であるこの料理は調理法に手間がかかるとして知られています。

乾燥させたフカヒレを、ショウガ・ネギと一緒に蒸す工程を何度も繰り返します。

完全に水気が戻った状態になったら醤油・出汁・塩・胡椒などで味をつけます。

片栗粉でとろみを出すのも特徴的ですね。フカヒレの食感と、醤油ベースの出汁が美味しい料理です。

広東料理ではフカヒレとカニ肉と卵を炒めた料理も定番です。

フカヒレの中でも特にアオザメが高級品とされています。

　フカヒレの姿煮と合うお酒

フカヒレの濃い味付けに合うのは、熟成させた中国のお酒老酒（ラオチュウ）はいかがでしょうか？

長い時間をかけて熟成された老酒と、フカヒレの旨み成分がお口の中で広がります。

どちらもじっくりと長い時間をかけられた一品。贅沢な組み合わせと言えます。

　蒸し鶏

茹でた鶏肉を冷まし、一口大にカットします。

そこにネギ・ショウガの薬味を加えたソースで食べる料理です。

鶏を丸ごと一匹使う料理なので祝いの席や大人数が集まるシーンで

出されることが多いようです。

　蒸し鶏と合うお酒

中国の伝統的なお酒、果酒（クオチュウ）があいます。

リキュールのような甘い香りと豊かな風味が特徴です。

白切龍岡はシンプルな味付けなので、果実を感じる果酒はベストな組み合わせでしょう。

　燕の巣

アナツバメからしか取れない貴重な食材で綺麗な水で戻す作業を三度も行います。

戻った燕の巣は器ごと大きな鍋で蒸します。

蒸しあがったら、シロップや砂糖などで味付けをして完成です。

燕の巣はゼリーのような独特の食感があり、またムチンという成分が肌に良く

あの西太后も愛した食事と言われています。

美味しいから食べる。

というよりは美容健康のために昔から重宝されてきた食材といったニュアンスが含まれます。

今でもこの考えは同じで、女性から愛されている食材です。

　燕の巣と合うお酒

燕の巣はシロップ煮で食べることが多いので甘口の白ワインはどうでしょうか？

それもデザートワインのような甘口のワインがおすすめです。

どちらも甘く、最高のスイーツのような組み合わせが叶うでしょう。

　アワビのオイスターソース炒め

アワビを鶏・豚の出汁で煮込んでいきます。

そこにオイスターソースを絡ませれば完成です。

広東料理の特徴である煮込み料理は時間と手間がかかります。

その分、素材に出汁や旨み成分が染み渡り美味しさが引き立ちます。

本来は淡白なアワビを出汁とオイスターソースで頂く贅沢な一品です。

　アワビのオイスターソース炒めと合うお酒

オイスターソースを使った味付けの濃い料理には渋さが目立つ赤ワインが合います。

特に渋さが強く濃厚な味わいで知られるカベルネ・ソーヴィニヨンがおすすめです。

赤肉のステーキや生クリーム仕立てのソースと相性の良いこちらのワインなら

アワビのオイスター炒めとの相性も良いでしょう。

　おわりに

広東料理と合うお酒の紹介をしました。

広東料理はその食材の多さが特徴で調理法は手間をかけて食材を蒸す工程のものが多いです。

味付けは醤油・オイスターソースなどで整えるので日本人の舌にも合う料理ばかりと言えます。

広東料理を楽しむ際のヒントになれば幸いです。